CHEST

睡眠時無呼吸症候群

治療について
CPAP療法

CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)による治療

現在、唯一の確実なSAS治療法とされています。時に効果は劇的であり、CPAP装着の翌日には眠気や倦怠感などがとれて、著しく活力が高まることが少なくありません。合併症の予防と生命予後の改善が証明された唯一の治療法です。保険診療でCPAP療法を行う場合、定期的な外来受診を行っていただく必要があります。外来ではCPAPの使用状況や自他覚症状の変動などをチェックします。

CPAP療法

CPAP療法とは

CPAP療法は、現在、閉塞性SAS治療の世界的なスタンダードとなっており、有効性が高く安全性も確立されています。

CPAPの原理
CPAP装置本体から、鼻に装着したマスクを通して設定された陽圧を気道に送り、
気道を広げて無呼吸が起きないようにします。

CPAP治療の効果

CPAP治療を適切に行うことで、睡眠中の無呼吸やいびきが徐々に減少し、熟睡感が得られ、すっきりと目覚めることができます。治療を続けることで、眠気がなくなる、夜間のトイレの回数が減る、血圧を下げるといった効果も見られます。CPAP治療は継続して使い続けることが重要です。慣れるまでに時間がかかることもありますが、快適な生活や死亡リスクの低減のために、治療を継続することが必要です。

CPAP療法を開始するまで

CPAP治療導入の流れ
検査・診断によりCPAP治療の導入が決定すると、下記のような流れで治療が始まります。
Step 1
患者説明

治療は長期にわたるため、治療法について十分にご理解頂けるようご説明します。

Step 2
マスクの選択

マスクにはネーザルタイプ・フルフェイスタイプ・ピロータイプがあり、骨格や症状に合わせて選択します。

Step 3
CPAP装置の設定

症状に合わせ、患者様ごとに圧力などの条件を設定します。適切な設定を行うことで、症状改善効果の向上が期待できます。

Step 4
CPAP装置の引渡し

CPAP装置の操作方法、マスクのフィッティング、お手入れ方法などをご説明します。

Step 5
在宅療法と定期受診

治療状況や効果の確認の為、定期的に外来受診をして頂き、必要に応じて圧力の再設定などを行います。

利用上の注意・Q&A

こんな場合はすぐに受診してください!
CPAP療法は副作用の少ない治療法だと言われていますが、長時間マスクを装着することによって皮膚が赤くなってきたり、目元での空気漏れによって目が乾燥したりすることがあります。下記症状を含め、CPAP療法を始めてから体調の変化や不快感を覚えた時はすぐに主治医に相談してください。
CPAP療法でよくあるご質問
CPAPを使用すれば、SASは治るのですか?
CPAP療法は、適切に施行されれば、無呼吸を防止する効果が非常に高い治療法ですが、対症療法であるため、根本的な治療(治癒)にはつながりません。長年「めがね」をかけても、視力は回復しないのと似ています。高度の近視のヒトは、「めがね」さえかければ社会生活に何の支障もありませんが、「めがね」がないと車の運転さえ不可能です。「めがね」をCPAP、近視をSASに置き換えると分かり易いでしよう。
CPAP治療に使用するマスクや呼吸管(ホース)の手入れは必要ですか?
呼吸管はCPAP装置と口元を結ぶ空気の通り道です。呼吸管に埃やカビが付着すれば衛生的によくありません。また、マスクは顔の皮膚に直接触れるものですので、やはり日々清潔にしていただくことが必要です。マスクや呼吸管はCPAP装置からはずして、温かい石けん水で手洗いしてからよく水洗いし、完全に自然乾燥させてから使用してください。(使用される製品ごとに手入れ方法は異なります。詳しい手入れ方法は、製品についている取扱説明書や添付文書に記載されています)
出張先や旅行先でもCPAPを使用したほうが良いのでしょうか?
基本的にCPAP療法は毎日行うものです。出張先や旅行先にも持っていったほうが良いでしょう。CPAP装置は専用のキャリングバッグに収められ、持ち運びしやすくなっています。
CPAP装置を使用しても、良く眠れないのですが?
様々な要因が考えられますが、CPAP装置の設定が適切でないのかもしれません。まずはかかりつけの医療機関にご相談ください。
CPAPを使用すると、喉や口の中が渇いてしまうのですが?
口をあけて寝てしまうことにより、鼻から送られた空気が口から抜ける為、喉や口腔が乾燥することがあります。その場合、開口を防止するためのテープや、口を開きにくくするためのバンド(チンストラップ)などがありますので試してみると良いでしょう。場合によってはCPAP装置に加湿器を取り付けてご使用いただくこともあります。チンストラップや加湿器については、かかりつけの医療機関にご相談下さい。(加湿器の水は衛生上の問題より毎日交換してください。)

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